このページには、論文・解説・参考資料など「裁判のみならず周囲に広めてもらいたい有益な情報」などを掲載していきます。


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● 安保法制違憲訴訟に理(ことわり)あり / 福田護

● 素人の素人による素人のための裁判案内

● 追加予定1

● 他団体の動向 (リンク集みたいなもの)

● 全国 安保法制違憲訴訟マップ



神奈川県弁護士会所属で、東京で違憲訴訟を行っている「安保法制違憲訴訟の会」共同代表の1人、福田護弁護士が「判例時報 2302号」にこの裁判における基本的スタンスを寄稿されています。
「安保法制違憲訴訟おかやま」では、この文章が原告団・支援者・岡山県下の多くの人々の研鑽と意識の高揚のために「転載の価値あり」「是非広く読んでもらい、更には流布してもらいたい」と判断しました。
そこで、福田弁護士本人と株式会社判例時報社の承諾を得て、ここに紹介いたします。

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● 安保法制違憲訴訟に理(ことわり)あり / 福田護 【 pdf ファイル  全2ページ (224,540 バイト)】
.   ↑ こちらが掲載原本です。

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2015年安保関連法強行採決事件・私の意見(11)

 ――安保法制違憲訴訟に理(ことわり)あり――

福田 護     .

 

◇ 私たちは忘れない

. 2015年夏から秋の国会で何が起きたかを、私たちは忘れない。また、忘れてはいけない。
. 7月15日、衆議院の平和安全法制特別委員会(以下「特別委員会」という)において、ヤジと怒号の中、安保法制法案が強行採決された。この日の委員会で安倍首相は、「残念ながらまだ国民の理解が進んでいる状況ではない」と繰り返しつつ、政治家は「国民の命を守る大きな責任を有している」、違憲立法かどうかの「最終的な判断は最高裁判所が行う、これは憲法にも書いてある」と開き直った。報道によれば、首相に近い参議院議員の1人は「法案が成立すれば国民は忘れる」と言い切ったという(7月16日付け朝日新聞)。そして同法案は、16日の衆議院本会議で可決された。
. 参議院での審議と手続は、もっとひどいものであった。集団的自衛権の行使を必要とする立法事実の存在自体極めて疑わしいことが明らかになったにもかかわらず、採決が強行されたのである。
. 例えば、安倍首相が、かの「母子パネル」を示して扇情的に繰り返した、日本人が乗る公海上の米艦を自衛艦が防護する必要性である。首相は、「こうした事態は机上の空論ではありません」「まさに紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない」と、熱弁をふるつた。ところが参議院の審議の中で、中谷防衛大臣は、米艦に邦人が乗っているかどうかは絶対的なものではないと答弁するに至った(同年8月26日参議院特別委員会)。
. さらには、ことあるごとに強調されてきたホルムズ海峡の機雷除去の必要性さえも怪しくなった。安倍首相は、日本に輸入される原油の8割が通過するこの海峡が機雷封鎖されて輸入が途絶えたら、わが国の経済と国民生活に死活的な影響を与え、国の存立にかかわるとし、今回の法案でも武装した部隊を他国の領域に派遣するいわゆる海外派兵は原則として許されない、しかしホルムズ海峡の機雷掃海だけは例外で、それ以外には「現在念頭にない」と繰り返していた(例えば同年5月27日衆議院特別委員会答弁)。ところが9月14日の参議院特別委員会で首相は、同海峡の機雷封鎖は「今現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として発生することを具体的に想定しているものではありません」と、その現実性をあっさりと否定してしまった。つまり、ホルムズ海峡も立法事実から消えた。
. それなのに、安倍政権と与党は、安保法制法案の強行採決へと突き進んだ。その際の手続、特に9月17日の参議院特別委員会の採決は、見るに堪えない議会制民主主義の蹂躙であった。すなわち、総括質問も行わず、前日に行われた横浜での地方公聴会の委員会への報告すらなされず、突然審議打切りが宣言されると同時に委員長席の周囲を与党議員が取り囲んで野党議員を排除し、速記には「議場騒然、聴取不能」とのみ記録される異常な混乱の下で、採決がなされたとされた。なお、特別委員会の会議録には、後に委員長の職権で、速記の再開、法案の可決、附帯決議等の議事経過が記載され、また「参照」として横浜地方公聴会の速記録が添付された。そして、19日未明、参議院本会議で安保法制法案が採決され、成立したものとされた。

 

◇ 司法への期待

. こうして、恒久平和主義を基本原理とする憲法秩序が破壊された。その破壊の過程は、国会の周りを埋め尽くした人々や、テレビその他の映像媒体で無惨な国会審議のありさまを目の当たりにした人々の体験として共有された。これを放置すれば、日本は再び戦争をする国へと変貌し、社会構造や価値体系まで含めて、国のあり方が根底から変わってしまう。そういう危機意識もまた、安保法制法反対に立ちあがった多くの市民によって共有された。
. 逆説的だが、これほどに立憲主義、民主主義、そして平和主義という憲法的価値が、市民にとって身近で大切なものと自覚されたことは、かつてなかったのではないだろうか。だから法律の可決後も、損なわれたこれらの憲法的価値の回復と安保法制法の廃止を求める市民運動が継続してきている。そしてその中から、安保法制法の違憲性を、裁判を通じて明らかにしたい、してほしいという声が、澎湃として起こってきた。
. その声は、最初は何人かの弁護士や元裁判官の心を突き動かし、筆者自身もそれに巻き込まれ、昨年九月以降「安保法制違憲訴訟の会」として活動を本格化することとなった。そして、訴状の作成、原告の募集と聴き取り、代理人弁護士の参加の呼びかけ、マスコミ対応など、先が見通せない多くの難題と格闘しつつ、4月26日、東京地方裁判所に、行政訴訟(差止請求と国家賠償請求、原告52名)と民事訴訟(国家賠償請求のみ、原告457名)を提訴するに至った。民事訴訟の第一回期日は9月2日に、行政訴訟の第一回期日は9月29日に、それぞれ開かれる予定となっている(本稿執筆の8月1日現在)。
. また、この東京訴訟のほかにも、同じ日に提訴された福島地裁いわき支部の事件をはじめとして、現在までに、高知、大阪、長崎、岡山、さいたま、長野の各地裁に順次提訴がなされてきており、9月頃までにはさらに7、8件の提訴が続く見込みである。
. この過程を通じて、私たちは、市民の裁判所への期待を実感している。これまで政府は、半世紀以上にわたって、憲法9条の下では、集団的自衛権の行使や海外派兵はできないとの解釈を積み上げてきて、それが戦争をしない平和国家日本としての最低限の現実的枠組みを形作ってきた。ところが安倍内閣は、閣議決定というかたちで一挙にこれを覆してしまった。そして国会も、そのよって立つ基盤である民主主義を自ら掘り崩して、安保法制法を強行可決した。三権のうち、残るは、違憲審査権をもつ司法権しかない。市民の司法に対する期待は、健全だというべきである。
. また、立憲主義という国家としての法秩序の基本が破壊されようとしているとき、司法には、法の支配の担い手として、裁判手続を通じて、立法府と行政府の誤りを正し、立憲主義と憲法秩序を回復する役割が期待されるし、それが司法の責務というべきである。ことに、これまで行政府の中にあって憲法上の規律を支えてきた内閣法制局という権威が、安倍首相による長官のすげ替えという異常な手段と、その後の安保法制法案審議の過程を経て、大きく失墜してしまった。内閣と国会の逸脱をチェックすべき司法の役割と責務は、格段に大きくなったといわなければならない。

 

◇ 請求の内容と構成

. 私たちが本件訴訟で救済を求めようとしているのは、次のような原告らの具体的権利侵害、精神的苦痛である。法律の違憲性の抽象的な判断を求めているのではない。
. 例えば、東京大空襲で親をなくし、戦災孤児となって戦後の貧しさを邪魔もの扱いにされて育ち、辛い人生を刻んできたある原告はいう。「親と別れる悲しい夢を何度も見て、社会からは親のない子とさげすまれる、それが孤児です。こんな不幸な子どもたちは、70年前につくらないとこの国は誓ったのではなかったのですか」「安保法制は、これまで生きてきた私のすべてを無にするものです」。
. また例えば、東京大空襲で炎の中を彷徨い、父親を失った上、再び千葉の空襲で米軍機の機銃掃射の中を逃げ惑い、自分がおぷっていた赤ちゃんの弟が頭にその直撃を受け、母がおぶっていた3歳の妹も腹部を撃たれて息絶えた、凄惨な体験を持つ原告はいう。「これが戦争です。戦争のある空の下、こんな庶民の日々と心があります」「私は、この国の政府が、戦争をしていいと判断したときから、再びあの苦しみにさいなまれています」。
. これら戦争体験者にとって、憲法9条は、こうした戦争被害のかけがえのない代償であり、戦後70年の人生の支えとしてその人格と一体となっている。安保法制法の制定はその直接的な否定である。
. あるいは、厚木基地や横須賀基地周辺に住む人々は、ただでさえこれまで、航空機騒音の被害や米兵の犯罪などのいわゆる基地被害に悩まされてきたが、日本が戦争をする国、その準備をする国になることによって、基地被害はさらに深刻化し、また、いったん事があれば真っ先に基地が武力攻撃やテロ攻撃の対象として狙われることとなる、不安と身の危険を感じている。
. また、右のような特徴的な体験や社会的立場はなくても、平和を願う広汎な市民が、戦争の機会と危険を大きく拡大した安保法制法の施行・適用によって、日本が戦争当事者となったり、他国の武力行使に深く関わることに大きな危惧を抱いている。そして、自らの生命・身体等に戦争被害が及ぶことを危惧するとともに、他国の人々への加害者となることに耐えがたい苦痛を感じている。また、日本が軍事優先、国家優先の社会へと変質し、弱者や福祉の切り捨て、表現の自由や知る権利の抑圧など、国のあり方が根本から変貌してしまいかねないことに、大きな不安を抱いている。
. 本件訴訟においては、これらが平和的生存権及び人格権の侵害であり、安保法制法によって侵害される原告らの権利であると位置付けた。そしてもうひとつ、なじみのないことばではあるが、安保法制法の制定によって原告らの「憲法改正・決定権」が侵害されたと考えた。すなわち、安保法制法は憲法改正手続を経ることなく、憲法9条を実質的に改変してしまったが、もともと憲法の条項と内容を決定する権利は国民にあり、憲法96条の国民投票権はその表れである。安保法制法は、この国民自らが憲法を改正・決定する権利を侵害したものである。
. ところでこれらの権利侵害を救済するには、国家賠償を求める方法はもちろんであるが、憲法に違反する自衛隊の行為の差止めを求めるのが、原告らや市民の直接的な願いである。私たちは、訴訟としても、憲法違反性の顕著な集団的自衛権の行使としての防衛出動の差止めと、重要影響事態・国際平和共同対処事態における危険な兵站活動、すなわち後方支援活動ないし協力支援活動としての物品・役務の提供の差止めを掲げるべきだと考えた。ただし、差止請求では特徴的な権利侵害のある方を原告とした。そしてその場合、最高裁の判例状況(大阪国際空港事件、第一次厚木基地事件など)から、これを行政訴訟としての差止めの訴えとして位置付け、集団的自衛権の行使等が原告らの前記権利を侵害し、その受忍を強制する事実行為としての公権力の行使であると考えた。
. 様々なむずかしい問題があることは承知の上だが、以上のような憲法違反の安保法制法の強行制定は許されない、それによる原告らの深刻な権利侵害は救済されなければならない、そして今、その役割が司法に求められている――私たちはそう考えている。

(ふくだまもる・弁護士)

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※ ホームページ掲載にあたり、横書き表示になるため漢数字表記を算用数字表記に変更しています。
また、段落冒頭の全角空白は自動的に削除される仕様のため、当該部分に小さな点を入れています。


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素人の素人による素人のための裁判案内

テレビや映画、ゲームなんかとやってる事がぜんぜん違う!
しかも、そこで交わされている問答が我々の主張とはかけ離れている!

第1回口頭弁論を目のあたりにして、違和感を覚えた人は結構いたはず。
「異議あり!」とか叫ぶシーンもないですし。(笑)
専門家である弁護士にとっては当たり前の前提条件が素人には全く理解できていないので、頭の中がハテナマークで満たされていく……
更には、平日の日中に裁判所や弁護士会館に足を運んでの傍聴も叶わず、事後の集会も参加出来ずの人の方が圧倒的に多いわけで、現地で弁護士さんが散発的に説明されていたことも、原告・サポーターの数分の一の方にしか届かない。せめてどんな進行をしているのか知っておきたい。
――ということで、(この安保法制違憲訴訟に関する) 素人の素人による素人のための裁判案内 を試みます。

※ 第1回口頭弁論までの内容を基にしています。

 

A.用語について

裁判所において、「原告」「被告」に分かれてやりとりするのを「公判」と呼ぶのだと思ってたら、あれは刑事裁判だけなのですね。
民事裁判では「口頭弁論」と呼ぶらしいです。
ただし、書類交換がメインで「口頭」の部分が微妙になっているのか、専門家は「第1回期日」とかいう具合に単に「期日」と呼ぶことが多いようです。

そもそも、「原告」(訴える側)「被告」(訴えられる側)に対する訴えを起こすこと(「訴状」を裁判所に提出すること)を「提訴」と呼び、こちらも刑事事件の場合の「起訴」とは異なります。

なお、岡山では「第1次提訴」と「第2次提訴」の2派に分かれて提訴を起こしているのですが、「これらは内容が関連・重複しているから、2つ以上の訴えを1つのものとして扱う」と裁判所が判断した場合、「併合」という手続きにより1つの訴訟事件として裁判が進行します。
岡山の提訴の場合、最初から併合されることを予定していたので、敢えて訴状の内容を同一のものにしました。
第1次と第2次の間に南スーダン問題などの新しい主張すべき内容が出現したのですが、これは口頭弁論の手続き中に主張するという方針にしたためです。

 

B.被告席着席者について

原告側は「原告多数」と「弁護団(法的代理人)」で構成されていますが、被告は国(及び行政代表者の安倍総理大臣)であり、矢面に立つ名義人は法務大臣の名前となっています。
しかし、実際に安倍総理や法務大臣本人が岡山地裁の被告席に座ることはまずないでしょう。
国が裁判当事者になる場合、刑事事件なら「検事」が代理人の立場ですが、民事の場合は「訟務官」という役職の公務員が代理人を務めます(弁護士ではありません)。
当ホームページの「口頭弁論」のページ で公開されている国側の答弁書を見れば、一杯印鑑が押してあるように見えて、実は殆どが同一人物の印鑑です。
役所の書類だから体裁は立派ですが、被告席に座っているのは自分で印鑑を押している現地 (岡山・広島) の役人とみればいいでしょう。

 

C.裁判の進行について

【原告の提訴=訴状(書面)の提出】 → 【被告の答弁書(書面)の提出】 → 【両者の書面を事前交換した上で、口頭弁論】を何度も繰り返し → 【結審(審理の終了)】 → 【判決】

という流れになります(途中で「和解」は有り得ないでしょうから)。

さて「口頭弁論」ですが、事前に「準備書面」(訴状・第1回答弁書もこれに当たります)を交換した後、それぞれがその内容を証明・補完するために「陳述書」を提出します。
裁判長が認めた場合は、書面の提出だけでなく、口頭での弁論陳述も行われます。
2回目以降、証人 (原告・被告・代理人以外の第三者の参考人) がある場合も陳述書同様に、訴状・準備書面の証明・補完という意味になります。

今回の第1回口頭弁論では、事前の折衝(「進行協議」といいます)により「原告側は書面の交換のみでなく、陳述書を提出し、口頭でその内容を訴えたい」旨の承諾を裁判長から得ていたということです。
※ 裁判所内で、被告側が「口頭での陳述など不要だ」という旨を裁判長に訴えたが却下されたのを覚えていますでしょうか。東京での「女たちの違憲訴訟」の事前折衝を読むと背筋が寒いです。

被告側は今回陳述内容はなしとの姿勢でした(答弁書以上の主張は不要という意味です)。

なお、冒頭裁判長が双方にそれぞれ「陳述しますね?」と確認を取ったのは、陳述書のことではなく、裁判の開始に当たり、「訴状」「答弁書」をこの場で陳述したことにしますよ?という確認です。
裁判の迅速化と簡素化のために、事前に書面を提出しておき「双方この通りの主張」を前提条件としているのです。

従って、傍聴人は事前に「訴状」「答弁書」を知っていないと、ここでどんな問答が交わされたことになったのかが理解できないということになります(これはマスコミなどの報道陣でも同じはずで、当日映像や写真を撮影したり、傍聴しただけでは裁判内容・経過を正しく伝えることは不可能です)。
また、陳述書を提出しても口頭での陳述が認められなかった場合は、書面の交換とその内容の陳述確認だけでは、傍聴人には尚更意味不明になってしまいます。
弁護団が繰り返し傍聴をお願いしているのは、このような書面だけの審理を出来る限り避けたい (裁判所や被告に対して心理的圧力を期待したい) という意味もあります。

 

D.議論が噛み合っていない件について

我々原告団は「安保法制が違憲である」という主張を裁判所に認めてもらいたいという趣旨で、「違憲立法審査権」は最高裁を頂点とした裁判所のみにある――という憲法に基づいて提訴しています。
ところが、裁判所は「法律が違憲であるか否か」を直接審査することができないという矛盾した法律体系になっているのです。
「一般的な訴訟の中で、必要に応じて違憲か否かを判断する」という回りくどい手順を踏むことしか現行の日本の法律体系は認めていないという事です。

従って、我々は、形式上、「今回の違憲である安保法制で被った損害賠償請求の裁判」という形をとるしかなかったのです(条件が揃っている地域では「差し止め裁判」も同時並行で行われています)。

これまでの幾つもの「違憲裁判」で、国側は「損害賠償請求の裁判」であることを盾にとって、「損害賠償請求が主題の裁判であって、違憲だの平和生存権だのという主張は裁判の争点でない」という姿勢に終止しています。
その上で、「原告の言う損害は主観的なもので裁判で争うに価しない。従って、申立てには合理的な理由がないので、審理など不要で裁判自体が無効だと言い渡しをしてくれ」というのがメインの主張になっています(「棄却」を請求しているという言い方をします)。

ただし、裁判の制度上、「争いがないことに関しては一方的に主張者の意見を認定する」ということになっているため、「違憲である」とは死んでも認めさせられない。「事実の主張ではなく、争点とも関連しないので認否の要を認めない」と返答しています(ここで言う「争点」とは、損害賠償請求の「損害の有無」のこと)。しかし、この物言いこそが「被告代理人さえもが、この安保法制を合憲だと正々堂々と主張できるような代物ではない」と自白しているも同然としか取れないのですが。
そして、ここが最大の問題点なのですが、これまでの違憲訴訟では何度もこの国側の主張・態度を受け入れた裁判所があったということです。
魚心あれば水心ありで、国側は「今回もこれで充分だろう」という答弁書を出して来たという流れです。

ところが過日の「イラク派兵訴訟」の名古屋高裁で、これを覆した判決が出ており、このような不誠実な裁判態度をどこまで続けるつもりなのかと、この点でも弁護団が追求していく方向になっています。

※ なお 当ホームページの「口頭弁論」のページ で公開されている陳述書の内、
1.金馬弁護士の陳述書の中で「金銭請求自体が目的でないことは、自ずから明らかであり、訴えの利益も、その実態に照らして判断されるべき」と明言されています。
2.山崎弁護士の陳述書は一貫して、国側の不誠実な裁判姿勢を糾弾する内容になっています。
(弁護士の陳述書が複数に分かれているのは、それぞれの弁護士に「役割」を割り振り、論点をそれぞれ意識してもらおうという戦術によります)

– – –

今後とも、我が「安保法制違憲訴訟おかやま」としては、
1.今回の安保法制が違憲であること
2.被害は多岐にわたり、とても「主観的」とは言えないので、棄却は不当であること
2正面戦術を取っていかざるを得ないことになります。

違憲であるか否かの「法的論争」は専門家である弁護団に任せるとして、被害・損害・慰謝料請求の根拠に当たる内容は是非原告の皆さんから1人分でも多く集めて陳述書を作成したい。ここが「原告にとって」の踏ん張りどころだと思って、是非陳述書作成にご協力ください。
当ホームページの「口頭弁論」のページ で公開されている陳述書の内、「原告 ○○氏」と表示されているものがお手本だと思ってください。あまり長いと「持ち時間内に陳述不能」となってしまいます。推敲は弁護団がお手伝いします。また 【裁判官の胸に響く「陳述書の書き方教室」】の開催も検討しています。

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念のために言えば、岡山地裁のこの事件が他裁判所の事件と併合されることはありません。夫々の地裁では全部独立並行して審議されます。
他裁判所の判決に岡山地裁の判決が影響されることもありません。岡山地裁の担当外判事からの干渉も許されません。裁判所所長と言えど、内閣総理大臣と言えど、この裁判の担当裁判長の「その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」と憲法で保証されている司法権の独立を覆すわけにはいかないからです。
そして、全国幾つもの裁判の中で、とにかく1勝、これを勝ち取ることでその後の政府対応が変わらざるを得ません。例え国会の勢力分布に何の変化がなくとも――です。

(安保法制違憲訴訟おかやま 事務局ネット広報担当)


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追加予定1

箸休めにどうぞ。

【九条の窮状を救助する強い味方、その名は「キュースケ」】

マスコット  Article9-2
このマスコットは安保法制違憲訴訟または類似の活動を行う団体・個人に対しては無償で利用可とします。


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他団体の動向 (リンク集みたいなもの)

報道取材を受けると、毎回「これまでの他所の状況は?」とマスコミが訊ねてきます。それを取材・調査するのは自分たちの仕事だと思うのですが。
もちろん、原告・サポーターの中にも自分たちの「立ち位置」を知りたい方は多いと思いますので、出来る限りの情報をまとめておきます。
※ 現状、最初から裁判を受け付ける気がなかった裁判所から順番に、判決=「裁判の終了宣言」が出つつあります。真剣に吟味する裁判所ほど後に残される傾向にあると思われます。

※ ネット上で確認できたもののみです。随時更新予定。
2020/02/18. 札幌地裁を課程7に移行。
2019/02/18. 東京地裁(国賠分)・大阪地裁を課程6に移行。
2020/02/20. 東京地裁(差止分)・高知地裁・前橋地裁・那覇地裁を課程5に移行。

なお、東京で裁判を行っている『安保法制違憲訴訟の会』 http://anpoiken.jp/は、事実上「安保違憲訴訟の全国連絡会」としての機能を果たしていると言っていいです。

また、真剣に吟味する積もりのある裁判所では「証人尋問」が始まりつつあります。

課程7(高裁へ控訴)

.   ● 札幌地裁 『安保法制違憲訴訟北海道の会』 (原告 268名 + 113名 + 33名 = 414名)
.             http://anpoiken-hok.com/

課程6(地裁で判決が出た)

.   ● 東京地裁 『安保法制違憲訴訟の会』 (原告 456名 + 865名 + 268名 = 1,589名
.                        & 差し止め 52名)
.             http://anpoiken.jp/
.   ● 大阪地裁 『「戦争法」違憲訴訟の会』 (原告 702名 + 298名 = 1,000名
.                         & 差し止め 45名)
.             http://ikensosyo.org/

課程5(地裁で結審に至った=判決待ち)

.   ● 東京地裁 『安保法制違憲訴訟の会』 (差し止め分)
.   ● 高知地裁 『安保法制違憲訴訟高知』 (原告 32名)
.             https://twitter.com/anpoikenkochi
.   ● 前橋地裁 『安保法制違憲訴訟ぐんまの会』 (原告 175名 + 33名 = 208名)
.     ※ 「証人尋問実現」http://gunmaanpoiken.jimdo.com/
.   ● 那覇地裁 『安保法制違憲訴訟沖縄』 (原告 67名)
.

課程4(地裁で口頭弁論を開始)

.   ● 福島地裁いわき支部 『安保法制違憲訴訟の会』 (原告 204名 + 75名 + 13名 = 292名)
.
.   ● 長崎地裁 『安保法制違憲訴訟の会ながさき』 (原告 118名 + 93名 = 211名)
.             http://anpoiken-nagasaki.jp/
.   ● 岡山地裁 『安保法制違憲訴訟おかやま』 (原告 402名 + 158名 = 560名)
.             http://anpo-ikenjaro.jp/
.   ● さいたま地裁 『安保法制違憲訴訟埼玉の会』 (原告 318名 + 131名 + 131名 = 580名)
.             https://www.facebook.com/ikensosho.saitama/
.   ● 広島地裁 『安保法制違憲訴訟 広島の会』 (原告 165名 + 144名 = 309名)
.             https://www.facebook.com/pages/category/Organization/安保法制違憲訴訟-広島の会-1474663499220635/
.   ● 横浜地裁 『安保法制違憲訴訟かながわの会』 (原告 254名 + 119名 + 49名 = 422名
.                            & 差し止め 15名)
.      ※「証人尋問決定」http://www.anpoikenkanagawa.com/
.   ● 長野地裁 『信州安保法制違憲訴訟の会』 (原告 292名 + 70名 = 362名)
.             http://shinshuanpoiken.jimdo.com/
.   ● 東京地裁 『安保法制違憲訴訟・女の会』 (原告 106名 + 16名 = 122名)
.      ※「証人尋問決定」http://anpoiken.jp/2016/08/16/women/
.   ● 福岡地裁 『安保法制違憲訴訟福岡』 (原告 41名 + 69名 = 110名
.                        & 差し止め 13名 + 10名 = 23名)
.             https://www.facebook.com/anpoikenfukuoka/
.   ● 京都地裁 『安保法制違憲訴訟・京都』 (原告 97名)
.             https://www.facebook.com/anpoikenkyoto/
.   ● 山口地裁 『安保法制違憲訴訟山口』 (原告 116名 + 19名 = 135名)
.             http://y-daiichi-law.jp/pages/anpo.html
.   ● 大分地裁 『安保法制違憲訴訟の会・大分』 (原告 42名 + 15名 = 57名)
.             http://anpoiken-oita.net/
.   ● 宮崎地裁 『安保法制違憲訴訟みやざきの会』 (原告 225名 + 34名 = 259名)
.             http://anpoiken-miyazaki.jimdo.com/
.   ● 鹿児島地裁 『安保法制違憲訴訟・鹿児島の会』(原告 22名)
.             https://anpoikenkagoshima.wixsite.com/anpoiken-kagoshima
.   ● 釧路地裁 『安保法制違憲道東訴訟』 (原告 170名 + 51名 = 221名)
.             https://ja-jp.facebook.com/anpoikendotobengo/
.   ● 甲府地裁 『安保違憲訴訟やまなし』 (原告 180名)
.             https://anponashi.jimdo.com/
.   ● 名古屋地裁 『安保法制違憲訴訟の会 あいち』 (原告 143名)
.             https://anpoiken-aichi.jimdofree.com/

課程3(地裁で提訴がなされた)

.   ● なし

課程2(原告募集の開始)

.   ● なし

課程1(原告団・弁護団の組織化胎動)

.   ● 不明


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全国 安保法制違憲訴訟マップ

全国 安保法制違憲訴訟マップ(チラシ用)を作りました。印刷用原稿なので大きめです。A3で印刷しても大丈夫そうです。
イベントの際などに自由配布して下さい(できるだけ新しいものを)。

※ 随時更新予定。

2019/04/22. 札幌地裁で判決。高裁へ控訴を反映
2020/02/20. 東京(国賠)・大阪地裁で判決。高裁へ控訴を反映
2020/02/20. 東京(差止)・高知・那覇・前橋の結審を反映
2020/02/20. 次回期日を最新のものに情報書き換え

北海道の絵の下辺りに、最終更新日が記入されています。もし古い日付が表示されていた場合はページの再読込 (F5 または SHIFT+F5) をお試しください。


●  全国-安保法制違憲訴訟マップおかやま (2020-02-20)
【 jpg ファイル  A4サイズ (3,488,790 バイト)】

どなた様でも右クリックでダウンロードして印刷・配布OKです。

「我らが訴訟に花をいっぱい咲かせましょう」 加百原告団代表

岡山以外の方でこのチラシを利用したい方、自分で編集改良したい方のための素材版も用意しました。


●  全国-安保法制違憲訴訟マップ 素材版 (2020-02-20)
【 jpg ファイル  A4サイズ (2,771,010 バイト)】

どなた様でも右クリックでダウンロードして印刷・配布OKです。
なお、 PDF ・ PSD (フォトショップのレイヤー構造ファイル) も用意してあります。
入用でしたら、 ikenjaro@gmail.com までご連絡を。



引き続き、サポーターを随時募集しております。

法廷傍聴、資料や情報提供、カンパなど様々な形でのご支援ご協力をお待ちしています。詳細は事務局までお尋ねください。

※ なお、この活動の情報をメールで受け取ることができます。
(原告・サポーター以外でも、県外の方でもOKです)
【「安保法制違憲訴訟おかやま」 メールニュース】を受け取りたい方は ikenjaro@gmail.com  までお申し込みください。

2017/01/23. Twitter をスタートさせました。https://twitter.com/Anpo_Ikenjaro です。


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