2018/07/20(金) 東京地裁で第8回口頭弁論が開かれました。
事前情報で「東京地裁では、政府が3人の裁判官全員の首をすげ替えさせて、より自分たちの意向を忖度する人事を強行させた」との話が漏れ伝えられていました。
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当事者でない者がどこまで公開して良いのか悩ましいのですが…… 掻い摘んでみますと。
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2018/07/20 AM10:30 開廷冒頭、裁判長より、「今日の予定は、原告申請の証人についての採否決定である」旨の発言がありました。
原告より口頭での補足(意見陳述)が終了した途端、「本日口頭での補足があったので、一旦下がって合議する」として退廷した後、2分後には「合議の結果、原告申請の証人8名をいずれも証人尋問の必要性がないものと判断し、却下します。」と発言、廷内が騒然としました。開廷から20分も経過していません。
残念ながら、このことは「事前の予測の範囲内」でありました。
従って、原告側からは寺井弁護士がすかさず「裁判官の忌避」を申し立て、傍聴席からは拍手が起こりました。
即ち、「裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるとき、当事者が、その裁判官を忌避することができる」という民事訴訟法に基づき、原告側から裁判官の変更を迫ったという意味になります。
<忌避の申立てについて> - - - (口頭による申立て要旨)
裁判長、私は原告代理人の寺井です。私ども原告代理人は、この段階で裁判長以下3方の裁判官の忌避を申立てます。
申請した証人全員の不採用は、納得し難く、裁判の公正を妨げるべき事情があるといわざるを得ません。理由の詳細は、追って書面で述べさせていただきますが、概ね次の3点であります。
第一は、法廷で直接に審理をした裁判官が判決をするという直接主義の大原則に反している点です。本件は提訴後わずか1年10ヶ月余の間に裁判長の変更が3人目、右陪席裁判官の変更も4人目、左陪席裁判官の変更は2人目となっています。しかも担当からはずれた裁判官は東京地裁に在籍したまま、うち1人は当該民事1部に在籍したままです。本年1月26日と5月11日の2回にわたり原告本人尋問が行われましたが、裁判官の交替はこの間に行われ、1月の原告本人尋問を直接体験した裁判官は5月には誰一人残っていませんでした。これは合理的理由を推測しがたい裁判官の変更であり、何らかの意図ないし予断を持った恣意的な配置転換としか言いようがありません。
第二は、前澤裁判長は本年4月16日の進行期日において、弁論更新手続を経る前にもかかわらず、既に証人の不採用を予告しており、弁論更新前から予断を持っていたものとしか考えられません。
第三は、本件の審理に必要不可欠な8名の証人尋問の申請を全て却下したことは、第一、第二の理由から推測される偏頗な態度を現実のものとしたとしか考えられません。
以上の通りでありますので、前澤裁判長ら3名の裁判官には、裁判の公正を妨げるべき事情が存在することが明白であります。
よって、原告代理人は裁判官の忌避の申立ては十分な理由があると考えています。
寺井弁護士の申し立て発言の間、傍聴席からは幾度となく拍手が起こりました。
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報告集会での寺井弁護士の最後のメッセージです。
「証人申請を認められなかったのは残念だったが、これからが新しい戦いの再スタートである。
皆さんと固く連帯して必ず安保法制を違憲とする判決を勝ち取るまで頑張っていきましょう」
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忌避の申立があった以上、裁判はこの時点でストップです。
今後のことは予断を許しませんが、大きな曲がり角に差し掛かっていることは間違いありません。
東京の「安保法制違憲訴訟の会」のホームページは http://anpoiken.jp/ です。
※追記 (2018/09/20)
『忌避が打倒か否か』は、当事者以外で審査するのですが、2018/08/10 には既に『判事には問題なし。忌避には妥当性なし』という結論が出たそうです。
まともに審査しているとも思われず、東京高裁に異議申し立ての不服審査請求という事態に進展しています。
もちろん、行き着くところまで行き着かないと、裁判は再開されません。