2025/01/30 安保法制違憲訴訟上告審決定に対する声明を公開します。
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最高裁に係属していた私たちの安保法制違憲訴訟は、昨年12月26日に調書(決定)という形で上告棄却、上告不受理決定(最高裁第1小法廷)がなされました。この決定は、実質1枚の書面によるもので全く内容を伴わないもので、本年1月6日に郵便で送られてきました。弁護団としても、最高裁の決定を郵便で突然に知らされたことになります。

2025.1.30
安保法制違憲訴訟上告審決定に対する声明
岡山安保法制違憲訴訟弁護団
1 岡山安保法制違憲訴訟について、最高裁第1小法廷は、昨年12月26日に上告棄却、上告不受理決定をし、本年1月6日にこれを通知してきました。
原告らによる切実な訴えを根拠なく棄却した原判決の問題点に真摯に向き合うことなく、一片の定型的な文書をもって門前払いをしたものであり、憲法の番人であるはずの司法の残念な姿を目の当たりにしました。
2 見明白に憲法違反である新安保法制によって、私達が戦争やテロに巻き込まれる危険に曝され、平和的生存権や人間の尊厳に由来する様々な人格権の侵害を受けることを肌で感じた多数の国民は,司法に付与された違憲立法審査権の発動による救済を求めて全国各地で訴訟活動を展開しました。平成28年6月,この岡山においても,私達は本件訴訟を提起しました。それから8年半が経過するうちに,新安保法制のもとで,自衛隊は,情報や装備,戦闘支援活動態様において,米軍と「切れ目なく」一体化し,独自の判断・行動をすることすら期待できないまでになりつつあり,我が国は,「存立危機状態」の判断をするまでもなく,米軍の戦闘に巻き込まれるのみならず,離脱することも困難な状態となっています。
我が国民が,否応なしに,殺し,殺される最悪の悲劇に巻き込まれることが,新安保法制の適用下では,現実の危険として存在します。
残念ながら、憲法違反の新安保法制の是正を司法に託することが期待できない結果に終わりましたが、平和的生存権の確保のため、新安保法制の廃棄に向けた私達の闘いが終わることはありません。
我々は,司法が本来の使命を果たす姿を取り戻す日まで,そして,憲法違反の新安保法制を廃棄して,私達のみならず未来を生きる人々の平和的生存権を揺るぎのないものにする日まで,全力で戦い続けることを、改めてここに宣言します。