2023年09月22日(金)午前10時30分、控訴審である広島高等裁判所 岡山支部 にて第1回口頭弁論が開始されました。
結末としては 裁判官3人を忌避(きひ)する状況となりました。
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広島高裁 第1回 口頭弁論経過・顛末
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本日の裁判所での大まかな流れ
. ● 地裁での内容の確認(文書のみ)
. ● 高裁での意見陳述内容の確認(文書)
. &原告控訴人2名の意見陳述(口頭)
. &原告代理人5名の意見陳述(口頭)
. ● 被告側の反論や追加陳述がないことを確認(口頭)
. ● 裁判長より事前提出の証人申請を却下と告知
. ● (間髪入れず)異議申し立て
. ● 休憩&裁判官3人の合議
. ● 再度却下の告知
. ● 文書による証拠追加及び他裁判所の記録の追加を申し立て
. ● さらに却下の告知
. ● (間髪入れず)裁判官全員の忌避申し立て
. &忌避申し立ての理由の陳述
. ● 裁判続行不可につき閉廷
「忌避(きひ)」とは裁判官が公正・公平な裁判進行を行っていないため、正常な裁判を期待できないので、裁判官の排除を求めるという民事訴訟法24条に基づく真っ当な手続きです。
今回の安保法制違憲訴訟においては、全国の裁判所で(岡山よりももっと酷い状況が多発しており)同様の手続きが繰り返し発生しています。
この申し立てにより、この場での裁判の続行は不可能になりました。
次の展開は、また原告・被告・裁判所の合議から再スタートとなります。
さて、控訴審(「高等裁判所 岡山支部」での第2審裁判)は、2022年4月6日の控訴をスタート地点として、今回も書面のやり取りをメインの手続きとして進行しています。
原告側としては、第1審の岡山地方裁判所と全く同じ主張だけしていたのでは「既に審理済み」という話になりかねないので、新しい追加主張や第1審の判決のこの部分が間違っているとかここが審理されていないという主張をすることになります。
最終的に、弁護団が提出した「控訴理由書」が以下のものです。
. ● 控訴理由書 (2022-07-15 広島高裁岡山支部提出) 【 pdf ファイル 全65ページ (644,979 バイト)】
以下に、2023/09/22 (金) の第1回口頭弁論の際に 原告控訴人2名 と 代理人弁護士5名 が陳述した内容を添付します。
. ● 01.控訴人 伊原氏 意見陳述書 (2023-09-22) 【 pdf ファイル 全3ページ (114,218 バイト)】
. ● 02.控訴人 市場氏 意見陳述書 (2023-09-22) 【 pdf ファイル 全3ページ (134,107 バイト)】
. ● 03.河原弁護士 意見陳述書1 (2023-09-22) 【 pdf ファイル 全4ページ (108,641 バイト)】
. ● 04.大本弁護士 意見陳述書2 (2023-09-22) 【 pdf ファイル 全2ページ (107,980 バイト)】
. ● 05.金馬弁護士 意見陳述書3 (2023-09-22) 【 pdf ファイル 全8ページ (185,020 バイト)】
. ● 06.寺山弁護士 意見陳述書4 (2023-09-22) 【 pdf ファイル 全6ページ (219,709 バイト)】
. ● 07.東弁護士 意見陳述書5 (2023-09-22) 【 pdf ファイル 全2ページ (66,662 バイト)】
以下は事後報告会での情報・弁護士の発言を元にまとめてピックアップしたものとなります。
. ● なお、当日の事後報告会の模様は Youtube で公開しています。(全 53m35s)
. こちらを全部見てもらえれば、Q&Aを含め自分で全てを確認できます。
. ● まず、広島高裁 岡山支部 の裁判官は、これまでの書類審査と第1回の口頭弁論のみで審理を終結させて、次回には早や判決を出そうという姿勢であることを弁護団は薄々感じていたとのことです。
. ● この前提では、証拠調べが実現することはないであろうし、追加の証拠書類提出も却下される可能性があるとの判断をし、事前にその対策をシミュレーションしていたとのことです。
. ● そこで「忌避(きひ)」という手続きを選択したのですが(これで裁判官が交代するという例はほほぼない)、その場合は少なくとももう一度口頭弁論を行うことになるし、その際には証人として申請していた方の意見書・陳述書を提出することが可能であろう、これまで拒むことは余り考えられないとの判断がありました。
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. ● 被告・国側の答弁書は、地裁のときと同じ「権利侵害は存在しないので棄却を求める」だけで中身は何もなく、違憲でないとの主張は全く存在しない。(棄却の理屈付は裁判所の方で考えろと言っているようなもの)
. ● 今回「忌避(きひ)」をしたからと言っても、これまでの段階で提出された書面が却下されているからではなく、それらはちゃんと受理されている。あくまでも追加での証人尋問や追加書証(証人予定者の陳述書や各地の裁判所で採用された証拠などの写しなど)の提出を却下されただけである。
. ● 弁護団としての今回の控訴のポイントとしては
. 1.地裁(1審)での証拠調べ・判決以降の事態の悪化を明らかにしたい。
. 2.現在時点で被害・損害が発生しているか否かにかかわらず、ここに至って憲法判断をしないのは間違っていると強く主張したい。
. (寺山弁護士が陳述した「暴力団事務所の使用差止事件の判例」が解りやすい)
. ● 第1審(岡山地裁)判決の大筋は
. 1.平和的生存権は具体的権利として認められていない。
. 2.戦争の危険が差し迫っているなら権利侵害と言えるが、現状は単に主観的な不安に過ぎず、保護に値しない。
. 3.従って権利侵害とは言えないので、憲法判断する必要さえもない。
. 4.解釈により改憲をしていると主張しているが、現に憲法改正はされていない。
. ● 従って、今回の弁護団の陳述はこの地裁判決を更に否定するような内容になっているし、その補強のための新たな承認申請・書証提出をするつもりであった。
. ● 今後とも主張の方針の柱は
. 1.平和的生存権の侵害
. 2.人格権の侵害
. 3.憲法改正権の侵害
. ● 完全に権利侵害とは言えなくとも、憲法判断をした判例は存在する。
. ここまで重要な事態ならば、憲法判断するべきとの主張を強くしたい。