明けましておめでとうございます。2022年「トラ」年の年頭挨拶をお送りします。

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(「いらすとや」 http://www.irasutoya.com/ の素材を利用しています)


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寅年の新春を迎えて~念頭の挨拶

安保法制違憲訴訟弁護団 金馬 健二  .

. 80年前、「トラトラトラ」の暗号を付し、無謀であることがわかりながら、無責任体制のもとで、日本は、「自存自衛」のためとして、真珠湾奇襲攻撃を敢行し、先の大戦を開始した。その結果、夥しい数の尊い人命を失い、奪い、奈落の底を味わった末に敗戦を迎えた。日本国民はその深刻な反省を糧とし、世界に冠たる平和憲法に守られて、戦争で誰一人殺さず、誰一人殺されることのない70数年間を誇ってきた。
. ところが、安倍内閣は、7年前、集団的自衛権を容認する閣議決定をして、自衛隊が集団的自衛権を行使することを可能とする憲法違反の新安保法制法(戦争法)を国民の反対を押し切って強行採決し、日本国民が戦争やテロに巻き込まれる危険を飛躍的に増大させた。
. そして、新安保法制法施行後、日本と米国との軍事一体化は一段と進み、台湾有事が叫ばれ、台湾を巡って、6年内には米中間の戦争が勃発する危険が現実的なものとして語られるようになった。米中間で、衝突を避けるための努力がなされているものの、些細な事件や思惑違いが、戦争に発展することは、歴史の教訓である。
. 台湾海峡で米中が衝突すれば、新安保法制法に基づき、「重要影響事態」が生じたものとして、アメリカ軍と一体化した自衛隊が、補給活動等の後方支援をすることになるが、これは、兵站活動として、相手からの攻撃の対象となり、間もなく、「存立危機事態」が生じたものとして、自衛隊は戦闘に参加し、「武力攻撃事態」に至ることは必定である。
. 「重要影響事態」の認定を経る間もなく、米軍の要請により「存立危機事態」が認定され、その認定を経る間もなく、相手国からの攻撃に曝されて、「武力攻撃事態」に至ってしまうのが現実であろうと思われる。まさに、先の戦争に突入した場合と同様に、日本は無責任体制のまま、戦争に突入することになってしまう。その戦争は, 勝者のない戦争であり、中国本土も台湾も日本も夥しい死傷者を生じ、日本の国土の大半が焼土と化してしまいかねず、新安保法制法のもとで、米軍と一体化した日本は、自らの意思で戦争を止めることもできない。
. 安保条約の下で米軍に基地を提供しているだけの状況よりも、新安保法制法施行後は、飛躍的に日本が戦争に巻き込まれる危険性が高まっているのである。
. どうにかして、日本が、憲法違反の新安保法制法を廃棄し、世界に冠たる平和憲法を蘇らせて、独立した矜持のある平和大国として、勝者のない残虐な戦争を阻止することのできる外交力を取り戻さなければならない。差し迫った人類共通の課題である気候変動による地球破壊に対して協力して対処すべき切迫した時機に、破滅的な戦争をすることの愚かさを説得できるのは、蘇生された平和憲法下の日本しかない。
. 私たちは何があっても諦めることなく、子孫のためにも、平和を追求し続けることを、寅年の新年の誓いとしたい。

(「安保法制違憲訴訟おかやま」弁護団共同代表)


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