明けましておめでとうございます。2021年「ウシ」年の年頭挨拶をお送りします。
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(「いらすとや」 http://www.irasutoya.com/ の素材を利用しています)
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丑年の新春を迎えて~年頭の挨拶
安保法制違憲訴訟弁護団 金馬 健二 .
. 今年の年賀状には、コロナ禍の終息を願う言葉が異口同音に書かれていた。
. そのような国民の願いに反し、正月を過ぎてさらに爆発的な感染拡大傾向、パンデミック状態が顕著になってきている。
. 水際対策の遅れやアベノマスク配布等を嚆矢とする愚策、医療関係の基礎的整備に係る政治リーダーシップの欠如、科学の軽視、政治リーダーの適切なメッセージの欠如等からすると、予想された当然の結果ではある。
. 政治の力による安全・安心の確保は残念ながら期待できない常況にある。
. その一方で、倫理観、衛生管理能力を背景とする我が国の国民の文化度によって、コロナ禍の拡大がここまでよくも押さえ込まれてきたと言えなくもない。
. アメリカファーストを唱えて,自国のみならず世界の分断の流れを進めたトランプはいなくなっても、アメリカと中国の覇権を巡る対立はさらに進みそうである。その中で、アメリカに与するのか中国に与するのかが問われる時代になっていると言われる。
. 我が国は、大国の狭間での影の薄い存在として、憲法違反の新安保法制法が施行された2016年3月29日前後から、アメリカと軍事一体化し、アメリカとともに血を流して戦う体制が進み、攻撃は最大の防御ということで、敵基地攻撃能力の整備をも前提とした戦闘態勢に組み込まれつつある。
. アメリカも中国もその国民の血を流すことを好んで選択することはせず、現実の戦争にまで発展することは外交努力によって避けようとするだろう。しかし、これを調整する第三者的立場にある国が介在しないことには、局地的な小競り合いでも、全面的対決の戦争に発展してしまうのが歴史の教訓である。
. アメリカが好きか中国が好きかに拘わらず、日本はその一方に与することで戦争回避のための役割を果たしうるのであろうか。日本の安全・安心のための平和を確保することができるのであろうか。
. 歴史的なつながりから中国の文化を知り,アメリカの民主主義を知り、最大の武器として世界に冠たる平和憲法を持ち、コロナ禍を自律的に押さえうるような国民文化を保っている日本にしか果たせない役割があるのではないだろうか。
. 覇権を争う大国の陰に埋もれながら、兵器を爆買いし、一方の傘のもとでの従属的な「戦争をする小国」になることから舵を切り替えて、モーそろそろ、我が国が本来の独立した平和大国として進むべき歴史的転換期を迎えているのではなかろうか。
. 真に国民の安全と安心を守る政治・社会に変革するため、私たち鈍牛も、民主主義の旗を掲げて動き出さなければならない。
(「安保法制違憲訴訟おかやま」弁護団共同代表)