明けましておめでとうございます。2020年「ネズミ」年の年頭挨拶をお送りします。

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(「いらすとや」 http://www.irasutoya.com/ の素材を利用しています)


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子年の新春を迎えて~年頭の挨拶

安保法制違憲訴訟弁護団 金馬 健二  .

. 憲法違反の新安保法制法案が2016年3月29日に施行された。
. 上記法案の採決に至る過程において、元最高裁長官を含む最高裁判事、歴代の内閣法制局長官や圧倒的多数の憲法学者、日弁連、全国の弁護士会が、憲法違反が明らかな法案であるとして反対の意見表明をし、国会周辺や全国各地で若者を含め多数の国民の反対、糾弾デモが展開された。
. そのような熱気の冷めやまぬ中、東京等で新安保法制法違憲に基づく、集団的自衛権行使の差し止め訴訟及び国家賠償請求訴訟が提起された。岡山においても、違憲法制に対して、ノーの意思表明を貫き続けるべく、2016年6月17日、新安保法制法違憲を追及する第一次国家賠償請求訴訟を、原告402名(2次提訴を含め560名、サポーター約710名)、弁護団45名で提起した。

. そして、新安保法制法施行あるいは訴訟提起から早や4年の歳月が経とうとしている。
. 岡山での訴訟も正念場を迎えている。

. 折しも、軍事によらない国際貢献を身をもって実践し、「海外への自衛隊派遣は有害無益である」と語っていた中村哲医師が昨年12月4日、アフガニスタンで凶弾に倒れるという悲しい報道が世界を駆け巡った。中村医師は、アフガニスタンにおいて、医療だけでなく、自ら灌漑事業に身を投じて、多くのアフガニスタン国民から慕われてきた。
. 世界に冠たる貴重な憲法9条を蔑ろにして、海外で武器を使ったり、軍国主義国家に変容しつつあるとの認識が海外で広まれば、中村医師のような献身的に海外で活動する立派な人たちをさらに危険な状況に陥らせてしまう懸念が大きい。
. 中村医師は「向こうに行って、憲法9条がバックボーンとして僕らの活動を支えてくれる。これが我々を守ってきてくれたんだなという実感がありますよ。武器など絶対に使用しないで、平和を具現化する、それが、具体的な形として存在しているのが日本の平和憲法9条ですよ。それを現地の人たちも分かってくれているんです。だから、政府側も反政府側も、タリバンも我々には手を出さない。むしろ、守ってくれているんです。9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。それが本当の日本の強みなんです。」「アフガニスタンにいると、『軍事力があれば我が身を守れる』というのが迷信だとわかる。敵を作らず、平和な信頼関係を築くことが一番の安全保障だと肌身に感じる。単に日本人だから命拾いしたことが何度もあった。憲法9条は日本に暮らす人々が思っている以上に、リアルで大きな力で僕たちを守ってくれているんです。」と語っていたという。
. 我が国は、日本で暮らす人たちが知らないうちに、新安保法制法施行前後から、海外からは軍国主義国家の色彩を強めつつあるとの認識が広がっていると聞く。このたびの中村医師に対する襲撃の動機はわからないが、日本人が「平和の使者」であるとのイメージが薄れてきたことが誘因になっているのではないかと訝ってしまう。

. 中村医師の遺志を継ぎ、海外で活躍する人たちのためにも、日本を平和大国の道に進ませることが求められていると痛切に思う。
. 今年は、ねずみ年、私も何回目かの年男。鼠は、子孫繁栄の象徴という。しかし、少子化の流れは加速化しており、今年もまた人口は激減しそうである。ただ、少なくとも、戦争によって、子や孫たちの命が失われるようなことは、窮鼠になってでも断固、阻止したい。

(「安保法制違憲訴訟おかやま」弁護団共同代表)


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